通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning)
HIS300TD(史学 / History 300)西洋史特講(キリスト教史)Lecture on Western History (History of Christianity)
教科担当責任者 / Instructor in charge of class:内田 康太Yasutaka UCHIDA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当者Instructor name | 山野 貴彦 |
科目種別Class Type | 通信学習(リポート・試験) |
履修学年Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | ※リポート(第1回・第2回)一括提出不可 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 文学部 史学科 専門教育科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
(1) To understand the history of the formation of Judaism and Christianity through the analysis of the Old and New Testaments.
(2) To understand the various ideas of the biblical authors and compilers in the context of their social backgrounds.
(3) To understand the ideas attributed to the major biblical characters in the context of their social backgrounds.
(4) To understand the process of separation and independence of Christianity from Judaism from both ideological and political perspectives.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
【学習の到達目標】Goal
(1)旧新約聖書の分析を通して、ユダヤ教およびキリスト教の成立史を理解する。
(2)聖書の著者および編者たちの多様な思想を各々の社会背景をふまえて理解する。
(3)聖書の主要な登場人物たちに帰される各々の思想をその社会背景をふまえて理解する。
(4)キリスト教がユダヤ教から分離・独立してゆく過程を思想面および政治面の双方から理解する。
【この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)】Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
(1)旧新約聖書の分析を通して、ユダヤ教およびキリスト教の成立史を理解する。
(2)聖書の著者および編者たちの多様な思想を各々の社会背景をふまえて理解する。
(3)聖書の主要な登場人物たちに帰される各々の思想をその社会背景をふまえて理解する。
(4)キリスト教がユダヤ教から分離・独立してゆく過程を思想面および政治面の双方から理解する。
【授業で使用する言語】Default language used in class
日本語 / Japanese
【科目の概要】Method(s)
旧新約聖書の分析を大きな歴史的枠組みから行うことにより、以下のような問いに対する理解を深めることが求められる:
・古代イスラエルの宗教からどのようにユダヤ教が形成されてゆくことになったか
・イエスが生きた時代のユダヤ教にはどのような特徴があり、イエスの活動や思想はそれとどのようにかかわっていたのか
・イエスの死後どのようにキリスト信仰というものが生まれたのか、また、パウロを通してそれはどのように展開されていったのか
・キリスト教はなぜユダヤ教から分離することになったか
・ユダヤ教およびキリスト教はなぜ「聖書」を持つに至ったか
これらの問いは古代史の一断面として興味深い課題であると同時に、後の歴史にも大きな影響を与える2つの宗教の出発点の理解という意味でも重要である。
分析に際しては、聖書に書かれている内容そのものを知るに留まらず、それらが書かれた時代について、またそれらとの関連において著者・編者が残した記述の意図を読み取る分析的な視点が必要となる。
この課題に関して、聖書に加えて「4. テキスト名および詳細」に記した参考文献を精読し、旧約新約聖書時代の歴史の全体像をおさえるとともに、聖書の各著者・編者、主要な登場人物の思想を理解されたい。
参考文献を読むに際しては、必ずそこに言及されている聖書箇所を自ら読み、なぜそのように解釈できるのかを把握することが必須となる。
聖書にはいくつかの版があり、基本的にはどれを利用してもよいが、日本聖書協会発行の『聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき』が推奨される。リポート/試験は聖書および参考文献から出題される。
リポートについてはその他の参考文献を利用することも歓迎するが、注に必ず出典を明記すること。
リポート課題は、旧約聖書および古代ユダヤ史から2問、新約聖書および初期キリスト教史から2問の計4問が出題される(2単位の受講生は、それぞれから各1問)。試験問題も、旧約聖書(ユダヤ教)および新約聖書(キリスト教)それぞれから各1問ずつ出題される。
【成績評価基準】Grading criteria
成績は単位修得試験・リポートの内容によって評価される。
リポートについては、聖書と参考文献を照らし合わせながら精読し、理解した事柄を課題に即して、参考文献の単なる引用接続や要約にならないようにしつつ聖書テキストを根拠に示し、自分の言葉で適切に表現できているかどうかを評価する。
単位習得試験については、テキスト及び参考文献の内容を適切に理解できているかどうかを評価する。
【テキスト名および詳細】Textbooks
【テキスト】指定市販本『聖書新共同訳 旧約聖書続編つき』日本聖書協会
(その他の訳、版でも構わないが、旧約と新約の両方が必要)
標準サイズ(小型)の『聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき』は¥4,000+税、ハンディタイプは¥3,500+税
【参考文献】
・山我哲雄『聖書時代史 旧約篇』(岩波現代文庫 学術98)岩波書店、2003年、¥1,100+税
・佐藤研『聖書時代史 新約篇』(岩波現代文庫 学術99)岩波書店、2003年、¥1,100+税
・M.ティリー/W.ツヴィッケル『古代イスラエル宗教史 先史時代からユダヤ教・キリスト教の成立まで』(山我哲雄訳)教文館、2020年、¥4,200+税
以下は絶版であるが、入手できるのであればぜひ手に取られたい
・上村静『宗教の倒錯――ユダヤ教・イエス・キリスト教』岩波書店、2008年、¥2,800+税
・上村静『旧約聖書と新約聖書――「聖書」とはなにか』新教出版社、2011年、¥2,000+税
【学習指導、注意点等】Work to be done outside of class (preparation, etc.)
通信学習のリポートに添削・講評でフィードバックする。
(1)リポート作成に当たっては、設題に関係する聖書箇所および参考文献を精読し、根拠を示しつつ論ずること。他の文献からの参照・引用もありうるが、インターネットからのコピー&ペーストを行わないこと。著者の解釈に疑問や異論がある場合には、根拠を記して反論すること。
(2)参考文献はメモを取りながら(ページ数を付して)読み、章ごと、節ごとにまとめておくとリポートおよび試験に対応しやすい。
(3)引用文には、著者、書名、ページ数を付すこと。
(4)聖書および参考文献からの引用は必要最小限にとどめること。
(5)聖書の各文書と箇所は、略記してよい(例:マタイによる福音書20章1-16節=マタ20:1-16、ローマの信徒への手紙7章1-20節=ロマ7:1-20、コリントの信徒への手紙一 15章3-5節=Iコリ15:3-5等。各文書の略記の仕方については、テキストとして指定されている聖書の目次にある略語も参照)。