イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management
MAN500F2(経営学 / Management 500)中小企業戦略論Strategic Management in SMEs
丹下 英明Hideaki TANGE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | W0003 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水1/Wed.1,水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | 専門講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | 基礎科目、MBA特別必修 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
カテゴリーCategory | 基礎科目 |
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Outline (in English)
This course provides learning about the management strategy of small and medium enterprises.
In particular, we will focus on management strategies for innovation such as new business development.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
【授業の目的】
本講義は、経営戦略や経営計画の策定、策定した経営計画を実行するためのマネジメントについて、中小企業に的確な支援ができるスキルを修得することを目的としています。そのために、中小企業がどのような戦略を策定し、マネジメントしているのか、実際の事例をとりあげながら、講義やグループワークを通じて、体系的に学んでいただきます。
本講義は、中小企業経営に興味がある方に向けた講義です。
【授業の概要】
本講義は、大きく、前半(第1~7回)と後半(第8~14回)に分かれます。
前半は、「フレームワークの意義と限界を学ぶ」をテーマに、経営戦略の理論やフレームワークを学んでいただきます。そして、講義で採り上げるフレームワークをグループワークで実際の企業に適用してみることで、その意義と限界を学んでいきます。
これらによって、経営戦略策定のためのプロセス(外部環境・内部環境の分析→ドメインの明確化→経営戦略の確立)を学んでいただきます。
後半は、実際の企業事例を通じて、経営戦略を経営計画に落とし込み、マネジメントしていくプロセスを学んでいただきます。国際化や新事業開発、M&Aといったテーマに関して、中小企業の事例を多数とりあげ、そのマネジメントプロセスを学んでいきます。
また、本講義では、グループによる戦略提案を2回行っていただきます(戦略提案①および戦略提案②)。
戦略提案①は、講義前半に行います。各グループが選定した企業について、講義で学ぶフレームワークを用いて現状分析を行ったうえで、第6回の講義で今後の戦略提案を発表していただきます(発表時に、選定先企業の経営者に参加いただくことも歓迎します)。
戦略提案②は、講義後半に行います。教員が指定した企業1社について、各グループがそれぞれ独自に分析を行い、戦略提案と経営計画をまとめていただきます。第14回の講義では、当該企業の経営陣に対して、実際に提案を行い、講評をいただく予定です。
以上、本講義では、⼀⽅的な聴講型ではなく、アクティブ・ラーニング型の授業を⽬指します。そのため、本講義では、講義内での発表や発⾔、ディスカッションを重視します。
到達目標Goal
1.経営戦略を策定するための基礎理論を体系的に習得し、分析に活用することで、的確な戦略策定ができる。
2. 戦略の実行を支援するため、経営計画を策定し、マネジメントの仕組みを構築できる。
3. 経営戦略策定・実行・評価の全プロセスを中小企業に合った形で指導・支援・アドバイスができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
イノベーション・マネジメント研究科のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
【授業形態、授業内での発表】
講義では、基本的知識や理論の説明を行うとともに、中小企業のケースを用いて議論を行います。
また、グループに分かれて、企業に対する戦略提案を行っていただきます。講義内でその結果を発表していただきます。
【課題提出とフィードバック】
講義終了後は、感想や意見、質問をまとめた「講義レポート」を毎回提出いただきます。次回講義の冒頭に、講義レポートのなかから、皆様の感想や意見をいくつか紹介するとともに、質問に回答することで、フィードバックを行います。
個人課題およびグループ戦略提案については、講義内および学習支援システムを通じて、採点結果とコメントをフィードバックさせていただきます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンス
経営戦略論の体系的理解:戦略とは何か
・授業計画、授業内容および成績評価について説明する。
・⾃⼰紹介を⾏う。
・グループ戦略提案①の進め⽅について説明する。
・グループを決定し、各グループで戦略提案を行う対象企業を決める。
・戦略とは何か、経営戦略策定の基本プロセスと構成要素はどのようなものかについて説明する。
2[対面/face to face]:経営戦略策定のための分析:ドメイン
・前回講義への質問回答を行う。
・前回グループワーク結果の発表を行う。
・ドメインとは何か、ドメインを定義する重要性や方法、課題を説明する。
・戦略提案対象企業について、グループで実際にドメインを定義する。
3[対面/face to face]:経営戦略策定のための分析:外部環境分析(SCPモデル、ファイブフォース)
・前回講義への質問回答を行う。
・前回グループワーク結果の発表を行う。
・SCPモデル、ファイブフォースとは何か、その意義は何かを説明する。
・戦略提案対象企業について、グループで実際にファイブフォース分析を行う。
4[対面/face to face]:経営戦略策定のための分析:内部環境分析(RBV)
・前回講義への質問回答を行う。
・前回グループワーク結果の発表を行う。
・RBVとは何か、その意義は何かを説明する。
・戦略提案対象企業について、グループで実際にRBV分析を行う。
5[対面/face to face]:経営戦略策定のための分析:外部・内部環境分析(3C、PEST、 SWOT)
・前回講義への質問回答を行う。
・前回グループワーク結果の発表を行う。
・3CやPEST、SWOT分析などの環境分析フレームワークについて説明する。
・戦略提案対象企業について、グループで実際に SWOT分析を行う。
6[対面/face to face]:経営戦略策定
グループ戦略提案①発表
・前回講義への質問回答を行う。
・各グループによる戦略提案発表を行う。
7[対面/face to face]:小括:講評と振り返り
グループ戦略提案②について
経営計画策定とマネジメント 概略説明
・前回講義への質問回答を行う。
・グループ戦略提案①の採点結果発表および講評を行う。
・グループ戦略提案②について、対象企業の概要や進め方を説明する。
・戦略提案②について、グループでディスカッションを行う。
・経営戦略を具体化するための経営計画の立て方について学ぶ。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
8[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:新製品開発
・前回講義への質問回答を行う。
・中⼩企業は新製品開発に取り組む際に、どのように計画を策定し、マネジメントするのがよいのか、議論する。
・戦略提案②について、グループでディスカッションを行う。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
9[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:資金調達と計数マネジメント
・前回講義への質問回答を行う。
・中⼩企業は、どのように資金調達と計数マネジメントを行えばよいのか、議論する。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
10[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:M&A
・前回講義への質問回答を行う。
・中⼩企業は、M&Aに際して、どのように計画を策定し、マネジメントするのがよいのか、議論する。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
11[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:海外市場開拓
・前回講義への質問回答を行う。
・中⼩企業はどの海外市場を開拓する際、どのように計画を策定し、マネジメントするのがよいのか、議論する。
・戦略提案②について、グループごとに中間発表を行う。
12[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:海外進出と撤退
・前回講義への質問回答を行う。
・中⼩企業は海外進出する際に、どのように計画を策定し、マネジメントするのがよいのか、議論する。
・戦略提案②について、グループでディスカッションを行う。
13[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:サスティナビリティ
・前回講義への質問回答を行う。
・中小企業は、SDGsなどサスティナビリティ戦略に取り組む際に、どのように計画を策定し、マネジメントするのがよいのか、議論する。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
14[対面/face to face]:経営計画策定とマネジメント:新事業
グループ戦略提案②
まとめ
・前回講義への質問回答を行う。
・各グループによる戦略・経営計画提案の発表を行う。
・ゲスト講師による講演・担当教員によるまとめを⾏う。
・講義の振り返りと質疑応答を⾏う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・毎回授業前にレジュメや関連文献に必ず目を通したうえで出席してください。
・授業終了後は、教科書の該当部分を確認し、復習をおこなってください。
・講義レポートや課題は、必ず期限までに提出してください。
・グループによる戦略提案に取り組むための準備(関連文献の調査・精読など)を必ず行ってください。
・グループによる戦略提案については、授業時間内だけでなく、授業時間外も活用して進めてください。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
・グロービス経営大学院編著『新版 グロービスMBA経営戦略』ダイヤモンド社、2017年
・丹下英明『中⼩企業の国際経営:現地市場開拓と撤退にみる海外事業の変⾰』同友館、2016年
参考書References
・鈴木智博『戦略的中期経営計画で会社は変わる! 後継者の経営力向上入門』プレジデント社、2019年
・植⽥浩史ほか『中⼩企業・ベンチャー企業論-- グローバルと地域のはざまで新版』有斐閣、2014年
・井上善海,瀬戸正則ほか『中小企業の戦略 : 戦略優位の中小企業経営論』同友館、2009年
・中⼩企業庁『中⼩企業⽩書(各年版)』
・⽇本政策⾦融公庫総合研究所『⽇本公庫総研レポート』
・⽇本政策⾦融公庫総合研究所『⽇本政策⾦融公庫論集』
成績評価の方法と基準Grading criteria
・個⼈による成果・講義への参加姿勢(講義への貢献、グループワークへの貢献、レポート課題など):50%
・グループによる戦略提案の成果:50%
・60%以上で合格。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・ゲスト講義時には特に、ディスカッションの時間を多めにとりたいと考えています。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・パワーポイントによる資料作成など、グループワークではPCを使いますので、ご準備ください。
・講義資料は、原則、2日前までに学習支援システムに掲示します。
・課題提出は、学習支援システムを利用します。
その他の重要事項Others
・「経営戦略論」(土曜日開講)を受講された方(または受講される方)へ:本講義の前半(第1~7回)は、経営戦略の基本的な理論やフレームワークを学ぶ内容となっています。そのため、「経営戦略論」と講義内容が一部重複しています。本講義の受講を希望される方は、その点をご理解いただいたうえで、受講をご判断ください。
・教員の実務経験:株式会社日本政策金融公庫において、中小企業向け融資・審査業務に従事。その後、同公庫総合研究所に異動し、中小企業経営に関する様々な研究を行う。本授業では、これらの実務経験を踏まえて、実際の企業事例を活用した授業を行います。