理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
BLS500Y2(生物科学 / Biological science 500)細胞工学特論Cell Technology
水澤 直樹Naoki MIZUSAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | YD006 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 生命機能学専攻 |
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Outline (in English)
This course deals with the mechanism of photosynthesis, which occurs in plants, algae and some types of bacteria,and its application such as development of stress-tolerant plants by manipulation of photosynthetic genes.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be calculated according to the following process. Reports (50%) and in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
細胞工学は分子生物学と細胞生物学の進展によって展開された分野であり、そのカバーする領域は微生物科学領域、動物科学領域、植物科学領域と広範囲にわたる。本特論では、微生物科学領域と植物科学領域に関連する光合成分野に焦点をあてる。細胞工学というと遺伝子操作技術を利用した応用研究のイメージが強いが、対象となる生物現象の深い理解なしには真に役に立つ応用研究はできない。そこで、改変すべき生物現象の仕組みをまず理解した上で、遺伝子操作の手法、生物機能改変の戦略とその実際を学ぶ。
到達目標Goal
細胞工学的手法を用いた光合成機能の改良および安定化は地球規模のエネルギー問題や食料問題を解決する手段の1つとして期待されている。本授業では、光合成装置の構造と機能を理解するとともに、遺伝子工学的手法を用いた光合成機能の解明およびその機能の改変に関わる最新の知見を習得することを目的とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
まず、光合成反応の概説をしたのちに、光合成生物の培養法、光合成生物の形質転換法の原理と実際例を紹介する。その後の授業は、光合成個々の反応系の解説と各反応系の問題を細胞工学的手法で解決した例の紹介をセットでおこなう。実際の研究例については総説ではなく、原著論文を紹介する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序論
光合成の概説と本分野への細胞工学アプローチの可能性について解説する。
第2回[対面/face to face]:光合成生物の培養法と形質転換法(1)シアノバクテリア
シアノバクテリアの培養法と形質転換法について解説する。
第3回[対面/face to face]:光合成生物の培養法と形質転換法(2)緑藻、コケ
緑藻とコケの培養法と形質転換法について解説する。
第4回[対面/face to face]:光合成生物の培養法と形質転換法(3)被子植物
被子植物の生育法と形質転換法について解説する。
第5回[対面/face to face]:光合成色素(1)解説
光合成色素の合成経路およびその構造と光合成における機能などについて解説する。
第6回[対面/face to face]:光合成色素(2)細胞工学的アプローチ
光合成色素の代謝経路の改変と光合成の関係などについて紹介する。
第7回[対面/face to face]:光化学系2と光化学系1(1)解説
各光化学系の構造と機能、アセンブリー、動的構造変化などについて解説する。
第8回[対面/face to face]:光化学系2と光化学系1(2)細胞工学的アプローチ
光化学系構成蛋白質の改変による活性アミノ酸残基や機能領域の解明、複合体構造の安定化の試みなどについて紹介する。
第9回[対面/face to face]:シトクロムb6f複合体、ATP合成酵素(1)解説
シトクロムb6f複合体、ATP合成酵素の構造と機能、光化学系1の循環的電子伝達などについて解説する。
第10回[対面/face to face]:シトクロムb6f複合体、ATP合成酵素(2)細胞工学的アプローチ
変異体を用いたATP合成酵素、シトクロムb6f複合体の構造と機能の解明、光化学系1の循
環的電子伝達におけるシトクロムb6f複合体の機能解明などについて紹介する。
第11回[対面/face to face]:光合成膜を構成する脂質 (1)解説
光合成膜を構成する脂質の生合成経路、構造と光合成における機能などについて解説する。
第12回[対面/face to face]:脂質(2)細胞工学的アプローチ
脂質欠損株を用いた光合成における脂質の機能について、脂質を構成する脂肪酸の不飽和度改変による低温耐性の光合成生物の作出などについて紹介する。
第13回[対面/face to face]:カルビン回路、光呼吸、C4光合成、CAM代謝(1)解説
各代謝経路の詳細とその生理的意義などについて解説する。
第14回[対面/face to face]:カルビン回路、光呼吸、C4光合成およびCAM代謝(2)細胞工学的アプローチ
CO2固定能の高い光合成生物の作出について、光呼吸関連酵素の改変による光合成機能への影響について、C3植物へのC4光合成の導入の試みなどについて紹介する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。光合成反応は複雑で多くの蛋白質・コファクターが関与しているため、講義の受講だけでは理解するのが難しい面がある。光合成諸反応の概略を一般的な教科書で予習・復習する。
テキスト(教科書)Textbooks
特になし。プリント資料を配付する。
参考書References
必要に応じて紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業に取り組む姿勢(平常点:授業内容に関連した質問、討論を含む)とレポート提出による授業内容に対する理解度と考察力を評価する。平常点とレポート点は50%と50%の配分で評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
光合成についての履修背景が少ない学生が多いので、基礎から解説することを心がける。