理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
ELC500X2(電気電子工学 / Electrical and electronic engineering 500)通信機器工学特論2Telecommunication Equipment Engineering (Ⅱ)
斉藤 茂樹Shigeki SAITO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | YA536 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 土1/Sat.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 電気電子工学専攻 |
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Outline (in English)
Main theme of this course is "Training of the ability to propose solutions for realizing Society 5.0 using IoT ", and we will study mechanism and applied technology of the various (wireless) communication systems (cellular phone, terrestrial digital broadcasting, wireless LAN, ZigBee, Bluetooth, GPS, RF-ID, IC Tags, security, optical communication, etc.).
The goals of this course are to acquire a rich imagination to realize Society 5.0 using IoT, taking advantage of the characteristics of various communication systems.
Students will be expected to have completed the required assignments after each class meeting . Your study time will be more than four hours for a class.
Your overall grade in the class will be decided based on presentation of my sensor network: 20 %、 Short reports :20% 、and in class contribution: 60%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
分かり易い無線システム:近年、物とインターネットの融合IoT(Internet of things)がAIやロボットと共に急速に生活に浸透してきている。車の走行情報を各車から集め渋滞情報をナビに転送。大手アパレルチェーンでは、ICタグをセルフレジとして使用。地デジの投票もIoT。個々のデータを集めればビッグデータとなり使い道様々。5GもIoTの強力な手段の一つとなる。これらは「Society5.0」として政府の成長戦略に掲げられている。
メインテーマは、「IoTを用いたSociety5.0実現に向けたソリューション提案力の養成」とし、無線システム設計及び各種(無線)通信システム(携帯電話、地デジ、無線LAN、ZigBee、ブルートゥース、GPS、ICカード、ICタグ、セキュリティ、光通信等)について、その仕組みや応用技術について考える。授業の最後には、被災地域の復興や環境対策等をIoTやM2Mで実現する方法について、オリジナルのセンサネットワークシステムを提案し合う。一緒に面白く夢のあるIoTシステムを考えてみよう!グッドアイデアは特許化も考えよう。
到達目標Goal
本科目では、以下を到達目標とする。
①無線通信システムの基本的設計方法を考える。
②様々な無線システム及び応用方法について習得する。セキュリティについても考える。
③種々の通信システムの特性を生かして、IoTを用いたSciety5.0を実現する豊かな創造力を身に付ける。
④特許が作成できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本授業は、「課題を提起しその解決手段を自身が考える」ことで、知識だけではなく使える技術力を身に着ける。技術の真の意味を理解し、応用を可能とし、更には新たに創造できる力を養う。教科書は使用せず資料を配布するが、対話形式や討論形式で考える力を引き出し、自身でノートにまとめることで記憶を深める。難しい理論式については分かり易く解説するので、通信以外の世界に進まれる方にも一助になると確信する。更に、クイズ形式やグループ討論等で楽しく学ぶ。特に項目毎の○×問題で理解度を測る。また13回目に授業内の課題の講評や解説を行う。
例えば、地デジのハイビジョンの信号はどのようにして家庭のテレビに送り届けられるか、4K、8Kとは?無線LANで周波数チャネルを共同で使うしくみは?無線LANのセキュリティのしくみは?ブルートゥースは何に使える?今後IoTで世の中がどのように変わるか?自分たちでIoTを作ってみよう!これらの解決手段を討論等によって検討し、発表し、講評を受けることで自身の力として取り込む。Sciety5.0についても論議する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:通信技術の復習
伝送方法の復習、変調とは、ベースバンド信号の位相や周波数をキャリアによって変えること、〇か×か?
(周波数、デジタル変復調、搬送波、ベースバンド)
第2回[対面/face to face]:通信機設計
受信感度は受信電力(S)で決まりS/Nは無関係、〇か×か?
(回線設計、送信電力、伝送距離、受信電力、雑音電力)
第3回[対面/face to face]:セルラー方式&通信プロトコル
九州に移動してもケータイにかかってくるのは、全国一斉に呼び出しているから、〇か×か?
(セル設計、位置登録、接続シーケンス)
第4回[対面/face to face]:次世代携帯電話
5Gで何ができるか?自動運転、遠隔医療、宇宙通信、〇か×か?
(3G、LTE、4G、5G・・・・)
第5回[対面/face to face]:無線LANのしくみ
無線LANが同時に大勢で使えるのはその分のチャネルがあるからだ、〇か×か?
(11a/g/n、OFDM変調、MIMO、パケット伝送)
第6回[対面/face to face]:無線LANのセキュリティ1
セキュリティの基本は、暗号と認証、どっちが重要?戦争では暗号解読は死活問題、オレオレ詐欺はなりすまし!
(暗号化、認証、共通鍵方式、公開鍵方式)
第7回[対面/face to face]:無線LANのセキュリティ2
httpsの”s”は、このサイトがチョー(スーパー)面白サイトを表している、〇か×か?
(電子証明書)
第8回[対面/face to face]:地上デジタル放送1
時代は更なる高精細(4K,8K)へ。情報量はハイビジョンの4倍、8倍、〇か×か?
(MPEG、HEVC、OFDM、フーリエ変換)
第9回[対面/face to face]:地上デジタル放送2
リモコンでの投票、投票データがTVからスカイツリーに送信されている、〇か×か?
(ガードインターバル、ワンセグ)
第10回[対面/face to face]:ユビキタスネットワーク1
いつでも/どこでもドクタ、いつでも/どこでもカルテ、実現可能か?
(IoT、Bluetooth、ZigBee、)
第11回[対面/face to face]:ユビキタスネットワーク2
近い将来、改札でカードを差し出す必要がなくなる、ホント?
(小電力無線、RFID、ETC、GPS、人体通信)
第12回[対面/face to face]:大容量光通信
最新の光通信は、無線と同様に位相変調が可能である、〇か×か?
(コヒーレント光通信、波長分散補償、適応等化)
第13回[対面/face to face]:まとめ
これまでの授業の振り返り(授業内の小問題や課題に対する講評や解説)
第14回[対面/face to face]:新ネットワーク提案
(発表及び講評)
マイセンサネットワークシステムを提案してみよう(発表)
提案ネットワークの特許作成演習
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。】学んだ内容を、実践(日常や研究)で使ってみる。多くの疑問を出し答えを考えることで知識を深める。些細な疑問でも積極的にメールや授業で提示されたい。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用せず、学習支援システムにアップロードした参考資料で講義を行う。各自ダウンロードし必要に応じて印刷すること。討論結果や自らの検討結果をノートに書き留めることで記憶を深める。
参考書References
1.坂田史朗、嶋本薫編著「無線通信技術大全」リックテレコム
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(60%)、課題(20%)、発表(20%、必須)を総合して評価する。発表は、対面にて各自作成した発表資料を基に行う。オンライン授業の場合、オンラインで発表する。
平常点から考える意欲を、課題及び発表内容から目標の達成度をはかる。各回の授業の内容は相互に関係しているので授業に欠かさず出席すること。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
成績評価基準は本シラバスに明記。項目毎に○×問題で理解度を測り授業にフィードバックする。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンライン授業の場合、スマホよりもテキストが見やすいモニタのあるPCを望む。更にカメラ付がベター。
その他の重要事項Others
通信機器工学特論と情報伝送工学特論はセットとして履修されたい。また、特論1(春)に続けて特論2(秋)を履修することを薦める。伝送の基礎理論から応用まで、通信技術全般を学ぶことができる。通信分野以外にも役立ち、企業での活躍の一助となるであろう。無線技術士の資格取得や特許作成力の習得にも有用。
通信機器工学特論1: 分かり易い通信技術
通信機器工学特論2: 分かり易い無線システム
情報伝送工学特論1: 分かり易い(使える)デジタル信号処理
情報伝送工学特論2: 分かり易い伝送基礎理論
[実務経験及び反映] NTT研究所で初代デジタル携帯電話機を開発(2018年度電波技術協会賞受賞)。第1級無線従事技術士取得。回路設計から標準規格化まで担当。NTTエレクトロニクス株式会社で各種通信機器を開発。特に、無線LAN(Wi-Fi)用IC、TV素材伝送無線装置、及びIoT用無線装置、並びにセキュリティ技術を開発。
上記の実務経験を活かして、情報通信技術の様々な疑問について分かり易く解説する。特に、IoT用無線技術やデジタル信号処理技術は、今後の研究開発活動の一助になると考える。さらに特許事務所での実務経験を生かした特許取得方法の講義は企業に入社後間違いなく有益となる。