理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
MAT500X4(数学 / Mathematics 500)確率過程特論2Stochastic Process 2
安田 和弘Kazuhiro YASUDA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | YC503 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | システム理工学専攻 |
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Outline (in English)
【Course outline】
The purpose of this course is to learn stochastic control theory and numerical methods for stochastic processes.
【Learning Objectives】
The goals of this course are to understand fundamental parts of stochastic control theory and numerical method for stochastic processes.
【Learning activities outside of classroom】
Students will be expected to read the relevant chapter(s) from references before each class meeting.
Students will be expected to review the lecture note. Also students will be expected to solve some problems from references and write programming codes for simulation after each class meeting.
Your study time will be more than four hours for a class.
【Grading Criteria /Policy】
Final grade will be calculated according to the following process reports (60%) and in-class contribution (40%). If number of absence is more than or equal to 4, your grade is automatically D.
授業で使用する言語Default language used in class
その他言語 / Other
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
確率過程特論1で学んだ確率微分方程式の応用について学ぶ.特に,確率制御理論と確率微分方程式の数値シミュレーション方法について学ぶ.
確率制御理論および確率微分方程式の応用や関連分野は多岐にわたる:
・工学(確率システム,確率制御工学,宇宙工学,ロボット工学,自動制御工学など)
・金融工学・数理ファイナンス,経済学
・OR(信頼性工学など)
・物理学(統計力学・統計物理など)
・生物学(遺伝,感染症モデル,数理生物学など)
・数理人口学(人口変動など)
・交通工学(動的な交通流など)
・機械学習(強化学習など)
・放物型偏微分方程式(拡散方程式)と関わる分野(熱伝導,製薬など)
など幅広い分野で用いられている.
また,本授業で学ぶ内容は,ここには書かれていないが時間と共にランダムに変化する現象をモデル化し,最適化やシミュレーションするのに用いることは可能と思われる.
本授業の目的は,多岐にわたる応用をもつ確率制御理論や確率微分方程式の数値計算手法を学び,各自の応用分野に役立てていけるようになることを目的とする.
到達目標Goal
確率微分方程式を用いた確率制御問題の定式化の理解及び簡単な問題の解法を理解すること.また,確率微分方程式の近似アルゴリズムの理解及び簡単なプログラムを書き,実装できるようになること.
1.確率制御問題を定式化できるようになり,簡単な問題の解法を知ること.
2.確率微分方程式の近似手法・アルゴリズムを学び,実際にプログラムを書けるようになること.
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
IISTの学生が履修した際は英語と日本語の併用,それ以外は日本語
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は講義形式で,板書で行う.
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:確率制御問題1
確率制御問題を紹介する.
第2回[対面/face to face]:確率制御問題2
マルチンゲールの定義や性質を紹介する.
第3回[対面/face to face]:確率制御問題3
マルチンゲール法を用いた解法の前半を紹介する.
第4回[対面/face to face]:確率制御問題4
前回に続きマルチンゲール法を用いた解法の後半を紹介する.
第5回[対面/face to face]:確率制御問題5
動的計画法について紹介する.
第6回[対面/face to face]:確率制御問題6
ベルマン方程式を用いた解法の前半を紹介する.
第7回[対面/face to face]:確率制御問題7
前回に続きベルマン方程式を用いた解法の後半を紹介する.
第8回[対面/face to face]:確率制御問題8
偏微分方程式のシミュレーション方法を紹介する.
第9回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション1
確率微分方程式のシミュレーションについて紹介する.
第10回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション2
オイラー・丸山近似のアルゴリズムを紹介する.
第11回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション3
オイラー・丸山近似の精度について紹介する.
第12回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション4
オイラー・丸山近似の収束に関する証明を紹介する.
第13回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション5
確率的テイラー展開について紹介する.
第14回[対面/face to face]:確率過程のシミュレーション6
マルチレベルモンテカルロ法について紹介する.
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。】
毎回の講義ノートを復習し,分からない点は随時質問に来て解消しておくこと.前半の確率制御問題は実際に具体的な数字を代入して,自分で数値に直して考えてみるとよい.後半のシミュレーションに関しては,各自C言語やC++,Excelなどで実際にシミュレーションを行ってみると理解が深まる.
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定しない.
参考書References
●確率制御に関する参考書
確率微分方程式(長井英生著,共立出版)
数理ファイナンス(関根順著,培風館)
確率微分方程式(ベァーント・エクセンダール著,シュプリンガー)
確率微分方程式とその応用(兼清泰明著,森北出版)
確率システムにおける制御理論(向谷博明著,コロナ社)
確率システム入門(大住晃著,朝倉書店)
●シミュレーションに関する参考書
確率解析と伊藤過程(小川重義著,朝倉書店)
例題で学べる確率モデル(成田清正著,共立出版)
Numerical Solution of Stochastic Differential Equations(Kloeden,Platen著,Springer)
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(40%)とレポート(60%)で評価する.欠席が4回以上の場合は無条件で不可とする.レポートには必要に応じてフィードバックを与える.
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特に対応すべき点はない.
その他の重要事項Others
確率制御理論は,近年,AlphaGoなどで注目を浴びている機械学習の中の強化学習と関係する話題です.強化学習は,本授業で学ぶ確率制御理論の離散時間近似した数値計算法と考えることもできます.簡単ではないですが,そういった興味ある学生も学んでみるといいです.