理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
PCE500X1(プロセス・化学工学 / Process/Chemical engineering 500)プロセス制御特論Process Control
加藤 誠Makoto KATOH
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | YA022 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 機械工学専攻 |
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Outline (in English)
【Course outline】This course provides a basic knowledge of some specific areas of the various processes and process control systems. Students will be motivated by understanding the background and development of the various process and process control systems.
【Learning Objectives】
At the end of the course, students are expected to achieve the objectives of the class and to acquire preliminary understanding and knowledge for basis of various processes and process control systems.
【Learning activities outside of classroom】
Before/after each class meeting, students will be expected to spend 4 hours to understand the course content.
【Grading Criteria /Policy】
The total score of 60 or more out of 100 is considered acceptable.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
プロセス制御は制御の応用面での分類上サーボ機構と並ぶ重要な分野であり、さらに、広義のプロセスにおける制御という意味ではメカトロニクスやサーボ機構をも包括・総括する広範な分野であり、その計算機制御システムも最先端の優れた制御技術が満載されていて、熱流体工学や化学機械工学や振動工学やシステム制御を志す学生が主体的に学習して大きな意義を獲得していく。
その全てを網羅することは不可能であり、ここでは主に次の項目を授業目的とする。
1)プロセス制御の基礎と特徴の理解
2)プロセス制御演習と小規模計算機制御実験の理解
3)発電プロセスと制御と監視の理解
4)火力プロセスと化学プロセスの監視制御装置の理解
5)警報・診断技術やリスク管理などプラント安全に関する事項の理解
6)炭素循環や原子力発電や再生エネルギーなどの理解を通じた環境問題の理解
7)燃料の燃焼による水・蒸気への熱エネルギー変換から、蒸気運動エネルギーの電気エネルギーへの変換の理解
到達目標Goal
1)プロセス制御の定義や特徴を説明できる
2)制御対象としてのさまざまなプロセスの構造や特徴を説明できる
3)プラント安全のための各種技術について説明できる
4)指定された各種参考文献の概要を説明できる
5)演習を通じて次のような項目の理解を深めて、レポートで説明できる
・むだ時間系とその近似法や各種制御法
・1次遅れとむだ時間系のPID制御の古典的調整法
・ファジー制御
・その他の各種知能制御等
6)アナログとデジタル、連続時間と離散時間システムの違いを説明できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
プロセス制御の基礎をマスターするために、講義と学生実験の紹介後に演習(筆記とCAD)を行うと共に、産業用プロセス制御として、火力発電プロセス制御と化学プロセスを紹介する。講義では知能制御等をプロセス制御に導入するための基礎数学とその応用法についての解説も行う。
電力・化学プラントを中心に教科書に沿ってプロセスの基礎制御を講述した後、小規模計算機制御の体験学習としてタンクの液位制御を例に、ステップ応答による1次遅れとむだ時間系のパラメタ同定とPID制御の調整法を制御系CAD演習として行う。次に、多変数アドバンス制御の準備として空間論と行列論の入門を筆記演習によって復習して頂く。次に、知能制御の代表として、タンク系に対する簡易ファジー制御の体験学習を紹介する。残された時間でその他の知能制御等について、講義後に演習によって確認を行っていく。
警報解析、故障診断、リスクマネージメントなどプラント安全に関する事項を抽出して纏めて解説を行う。
1日に実施するコマ数によって順序の組み換えがあり得る。
授業支援システムを用いて資料提供・予習復習レポート課題の提示(提出も可)
オンライン授業開始日は9月12日(土)の予定である。授業支援システムでのお知らせ開始と予習資料・レポート課題・アンケート閲覧開始は4月28日である。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:発電プロセス入門
火力発電の仕組み動画と各種系統図解説
新規IGCCプラント等
第2回[対面/face to face]:プロセス自動化と制御
計算機制御システム、
POLと保守ツールと監視制御、AMステーション、制御機器、安全システム、リスク管理
第3回[対面/face to face]:プロセス制御入門
PID制御、カスケードとフィードフォワード制御、3要素制御、物質収支制御、Z変換、むだ時間系の特性と補償器
第4回[対面/face to face]:タンク液位PID制御
無駄時間系のステップ応答パラメタ同定法、ジーグラー・ニコルスのステップ応答法と限界感度法
第5回[対面/face to face]:ファジー制御入門と
タンク液位ファジー制御
メンバーシップ関数、
ファジー推論、ファジー数学、ファジー決定、マンダニのファジー制御、非ファジイ化、
第6回[対面/face to face]:プロセスシーケンス制御
とオンオフ制御入門
自己保持回路の各種表現、バッチプロセスの計量・混合シーケンスの例、シーケンス制御機器と構成
第7回[対面/face to face]:プロセスシーケンス制御
例題演習とアドバンスシーケンス制御表現
冷凍機のシーケンス制御、フローチャート、デシジョンテーブル、論理回路、MFG、SFC、リレー回路、タイムチャート
第8回[対面/face to face]:蒸気発生器と加熱タンク
蒸気発生器の離散値定性的シミュレーション、
加熱タンクの多変数動的モデルと可制御・可観測
LQR CAD
第9回[対面/face to face]:運転支援システム
最適化燃焼制御、熱吸収管理、復水器洗浄ガイド、警報解析、診断システム、リスク管理
第10回[オンライン/online]:化学・生物プロセス制御
各種単位操作や制御装置、製紙プロセスでの自家発コジェネや発酵プロセスの計算機制御
第11回[オンライン/online]:熱電併給・コジェネプロセス
ごみ焼却プラント、自家発電の熱電併給薬品回収ボイラプロセスの運転支援システム
第12回[オンライン/online]:プロセス振動診断とプロセスロボット・メカトロニクス
流体回転機械や渦励振や配管の流体振動等のプロセス振動、併せてロボットやスーツブロワ等のメカトロニクス
第13回[オンライン/online]:原子力発電プロセスと再生エネルギー
原子力事故を背景に、原子力発電プロセスの機能安全、PWRとBWR系統について紹介、代替発電候補もいくつか紹介
第14回[オンライン/online]:エネルギー変換
ー蒸気サイクルとガスサイクルー
水のエネルギー変換、エクセルギー、ランキンサイクル(再熱と再生)、ブレイトンサイクル(中間冷却)
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習時間は、4時間を標準とします。】
1)授業支援システムの教材で公開している資料等の予習とレポート作成開始
提供開始は4月末の予定
2)授業中に与えられた学習支援システムの課題の提出とレポートの追加
本授業の予習・復習時間は4時間を標準として実施する。
テキスト(教科書)Textbooks
1)学習支援システムで公開している予習用教材資料
2)授業で必要に応じて配布するプリント(PPT資料や文献)
3)今後のために下記の筆頭参考書を購入することが望ましい。
参考書References
標準自動制御 長谷川健介監修 実教出版
システム制御基礎理論 加藤 誠 コロナ社
計装システムの基礎と応用 千本資・花渕太 オーム社
化学プロセス制御 バックレイ 化学同人
化学プロセス制御 グールド 東京化学同人
回転機械の振動,続・回転機械の振動 コロナ社
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(演習課題等)とレポート点を加えて総合評価する。
平常点50%、レポート点50%で評価する。平常点:各回演習解答点。レポート点:記述式レポート45%(与えられた課題に的確な感想や展望や改善提案ができること), CADレポート5%(教材・動画および課題資料のPC自習)
評価基準 100点満点で60点以上が合格
S:90点以上
A:80点以上
B:70点以上
C:60点以上
D:60点未満 不合格
E:未受験・評価不能
但し、レポート未提出は未受験、出席および演習提出が2/3未満は評価不能とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
臨場感を増すため水位実験装置の簡易操作マニュアルを配布する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
学習支援システムからの教材ダウンロードやオンライン授業に備えてzoomが利用できる環境を整えること。
準備・復習のために制御系CADのMATLAB・SIMULINKをダウンロードしたパソコンを準備することが望ましい。原則PC教室で実施したCAD演習をレポートに追加して、提出すること
その他の重要事項Others
本年度も秋学期毎週開講科目になります。
対面授業を原則としますが、状況に応じてオンラインになることがあります。
演習やレポートの配布と提出は授業支援システムの課題機能を併用します。
各回の課題の回答例を翌週配布することで、授業のフィードバックとします。
皆さんはそれを参考に再提出・遅れ提出をして再フィードバックして下さい。
期末レポートは2回に分けて授業支援の教材機能にアップした資料等を参考に課題機能のレポートに提出すること。2回目はMATLAB/CAD演習を含むこと。申告によりメール添付提出も認める。
オフィスアワーは授業期間中、授業後10分間受け付ける。
下記のメール質問も受け付ける。
makoto.katoh.93@hosei.ac.jp