デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design
HUI500N4(人間情報学 / Human informatics 500)ヒューマンサイエンス論Human Science
谷 直道、榎原 毅TANI Naomichi, EBARA Takeshi
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | U3002 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期後半/Fall(2nd half) |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2,金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択 |
入学年度Admission year | |
カテゴリーCategory |
修士課程 システムデザイン専攻 基盤科目 |
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Outline (in English)
Course outlines:
Disseminating and implementing system design in the general public or working environment, it is essential to analyze the interaction between humans and systems and apply it to design for solution proposals.
This course aims to learn about understanding the interactions among humans and other elements of a system and to learn how to apply theory, principles, data, and methods to design in order to optimize human well-being and overall system performance.
The lecture mainly adopts a Problem-Based Learning (PBL) approach, and students will acquire the ergonomic skills to propose design solutions through practice training using various case studies directly related to actual social issues.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
多様な応用領域でシステムデザインを適用し、社会実装するためには人とシステムの相互作用を分析し、デザイン案へと落とし込むことが不可欠である。本講義ではヒューマンサイエンスの基礎である人間工学の最新知見から、人間の諸特性とモノ・コト・体験のデザインアプローチを習得する。
到達目標Goal
・多様な社会課題の解決策を導出するトレーニングを通じて、人間工学の理論、原則、設計参照データおよび手法を学ぶ
・人の諸特性を理解する(身体・認知・行動特性のメカニズムの理解)
・世界標準の人間工学に基づく課題解決アプローチを体得する
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学研究科システムデザイン専攻ディプロマポリシーのうち、「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義はケースメソッド(課題解決型学習:PBL)方式を多く採用し、実際の社会課題に直結した事例を用いた演習トレーニングを通じて、デザインソリューション提案スキルを獲得する。なお、授業計画は授業の展開によって若干の変更があり得る。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ヒューマンサイエンス基礎:人間工学とは
本講義の目標と進め方について説明を行う。ヒューマンサイエンスの基礎理論である人間工学の考え方を学ぶ。
2[対面/face to face]:ケースメソッド(PBL)(1):現場観察と作業環境デザイン
現場ニーズに基づく課題解決プロジェクトの手続きを学ぶ。オフィス空間やワークステーション設計のソリューション提案の視点を学ぶ。
3[オンライン/online]:ケースメソッド(PBL)(2):業種別の課題解決型デザイン1
システムデザインの観点から業種別の労働災害の課題解決案を検討する。労働災害の約6割を占める腰痛災害を防止するために、製造業の重量物取扱作業を事例としたPBLにより、課題解決のアプローチを学ぶ。
4[オンライン/online]:PBL解説:ものづくりに活かす生体力学の基礎と国際標準の腰痛リスク評価法
ケースメソッドの解説を通じて、科学的根拠に基づくデザイン(Evidence based design)に必要となる生体力学の基礎、国際標準規格ISO11228-1に準拠した腰痛リスク評価法などの理論を学ぶ。
5[オンライン/online]:ケースメソッド(PBL)(3):高齢・障害者のQOL向上とアクセシブルデザイン
高齢・身体障害者(車いす利用者)の生活ニーズ・経済状況・住環境などの諸情報を把握し、当事者が望む生活を営めるようにQOL(Quality of Life)を高めるソリューション創出方法を学ぶ。
6[オンライン/online]:PBL解説:イノベーションのメカニズム
ケースメソッドの解説を通じて、ニーズの把握、ステークホルダ参画型解決、アクセシブルデザインなどの手法を学ぶ。
7[オンライン/online]:ケースメソッド(PBL)(4):業種別の課題解決型デザイン2
システムデザインの観点から業種別の労働災害の課題解決案を検討する。陸上貨物運送業の重量物取扱作業を事例としたPBLにより、課題解決のアプローチを学ぶ。
8[オンライン/online]:PBL解説:ものづくりに活かすデジタルヘルステクノロジ
アシストスーツ、予防介入アプリなどのデジタルヘルステクノロジ、発荷物のデザインの工夫等の多面的アプローチに加え、IEA(国際人間工学連合)が提唱する、現場に根付く解決策を普及させるためのプロジェクト設計の基礎を学ぶ。
9[対面/face to face]:ケースメソッド(PBL)(5):働き方とUXデザイン
働き方改革や人的資本経営(ISO30414:2018)が近年重視される。人が持つ知識・能力・技術などを資本とみなす人的資本の考え方の普及に伴い、新発想の働き方やUXデザインによる解決策が求められる。夜勤交代勤務の検査作業を事例に、システムズ・アプローチによるデザインを学ぶ。
10[対面/face to face]:PBL解説:システムズ・アプローチによるシステムデザイン
ケースメソッドの解説を通じて、近年人間工学領域で国際的に注目されているシステムズ・アプローチの考え方を身につける。社会実装をはかるためには、企業経営が求めるperformanceと、労働者のwell-being(健康や働きがいなど)の調和を図ることが重要であり、その均衡設計の考え方を学ぶ。
11[オンライン/online]:行動科学と人の意思決定特性
社会の課題解決に資するソリューションデザインには、人々の行動変容を促し、意思決定を支援するデザインが必要である。システムデザインに応用可能な行動科学の基礎を学ぶ。
12[オンライン/online]:ケースメソッド(PBL)(6):サービス・価値デザイン
より実践的な現場ニーズに基づく課題解決プロジェクトの手続きを学ぶ。健康経営の課題解決事例をベースに、従業員の行動変容を促すサービスデザイン、multiple winに基づく価値デザインの考え方を学ぶ。
13[オンライン/online]:ISO国際標準規格にみる人間工学設計の基本理論
安全・安心・快適なものづくりや製品デザイン、システムデザインを指向するためには、人間工学の要求事項に対応することが求められる。ユーザビリティの定義や測定法・結果報告書式、Human Centered Design(HCD) プロセスなど、国際標準規格ISOで定められている各種人間工学国際規格を概説する。
14[オンライン/online]:まとめ: これからのヒューマンサイエンスとバックキャスティング型デザイン
講義全体を振り返り解説する。また、従来のニーズドリブンによるフォアキャスティング型のデザインではなく、近年注目されているバックキャスティング型のデザインの考え方や事例を紹介し、ヒューマンサイエンスを応用した課題解決手法を総括する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
受講生は、PBL課題に関して予習・復習を求められます。授業時間内で受講生間の議論がまとまらない場合は授業時間外での事例検討などが必要になる場合があります。本授業の準備学習・復習時間は、原則各2時間程度を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書の指定はありません。各回講義ごとに、資料を配布します。
参考書References
講義時に適宜紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・PBLへの参加姿勢・提案内容50%、講義終了時のレポート50%で評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
対面での講義を基本として、本講義全体におけるさらなるアクティブラーニングの導入と、講義手順の改善を行うことで、専門的な知識と実践的な知恵をより身に着けられるよう努めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
講義資料の配布、課題提出等のために学習支援システムを利用します。
その他の重要事項Others
様々な人間工学関連の国際標準規格の策定に関わり、歴史ある人間工学誌の編集委員長、国際ジャーナルの編集委員長などを歴任し、国際的にも人間工学の研究と実践をリードする榎原教授の講義を受けられる貴重な機会です。