デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design
ADE500N2(建築学 / Architecture and building engineering 500)建築思潮特論Theory and Design of Modern Architecture
後藤 武Takeshi GOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | U1109 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 木1/Thu.1,木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択 |
入学年度Admission year | |
カテゴリーCategory |
修士課程 建築学専攻 専門科目 |
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Outline (in English)
(Course outline)
Melted Stone: Archeology of Reinforced Concrete Construction
Reinforced concrete - the material that surrounds today's world. Developed in the 20th century, reinforced concrete is a material which for all its common appearances is filled with mystery. Concrete, beginning as liquid cement which undergoes a chemical reaction to solidify and mold in place, is a different construction technique to both layering of stones and wire frameworks. By exactly what process did concrete casting, in one sense a reproductive technique, find itself replaced by masonry, and gloriously develop into a material of modern construction? Layering the history of construction methods with historical theory, this course aims to reenact in vivid detail the birthplace of reinforced concrete. As the whispers of its demise begin to be heard in the early 21st century, in order to understand what defined the 20th century we look to the origins of this material.
(Learning Objectives)
The goals of this course are to look back the history of reinforced architecture,and to predict the future of the architecture.
(Learning activities outside of classroom)
Before/after each class meeting, students will be expected to spend two hours to understand the course content.
(Grading Criteria /Policies)
Your overall grade in the class will be decided based on the Term-end examination.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
溶けた石:鉄筋コンクリート建築の考古学
今では全世界中を覆いつくしている鉄筋コンクリート。20世紀をつくりあげた素材である鉄筋コンクリートは、しかしその現代社会におけるあからさまな自明性にもかかわらず、きわめて謎に満ちた素材である。液体としてのセメントが化学反応を経てその場で凝固して一体成型されるコンクリートは、石の単位を積み上げて構築する技法とも、線材の組み合わせによる軸組み構法とも異なる。キャスティングという、ある意味模造的な方法によって作り出されるコンクリートが組積造に置き換えられ、近代建築の材料として華々しく発展していくためには、どのような過程が存在していたのだろうか。構法の歴史と歴史理論とを重ね合わせながら、鉄筋コンクリート建築の生成の現場を生々しく再現してみたいと思う。鉄筋コンクリートの時代の終焉がささやかれる21世紀の初頭において、建築の20世紀とは何だったのかを考えるために、鉄筋コンクリートの起源に焦点をあてる。
到達目標Goal
鉄筋コンクリートという今では当たり前になった材料の起源と発展を知ることによって、建築の未来を考える思考力を養う。
【修得できる能力】*【修得できる能力】*
- 総合デザイン力 :
- 歴史と文化:
- 持続可能性と設計論理:
- 専門性:○
- 技術と芸術:◎
- 情報技術:
- 表現能力・コミュニケーション能力:
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部建築学科ディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
鉄筋コンクリートの起源と発展を14つのテーマに分節して詳細に分析していく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:1.イントロダクション
20世紀の建築と都市を作り上げた素材、鉄筋コンクリート。この材料と構法は、技術革新によって自動的に生まれたわけではなかった。19世紀末の歴史理論の中から導き出されたものだった。この授業は、西洋建築史の中で鉄筋コンクリート建築を位置づける試みを行う。この授業の枠組みを解説する。
2[オンライン/online]:2.セメントの錬金術:ヴィカ、コワニェ、ジョセフ・モニエ
古代ローマのコンクリート技術のの起源を探り、化学反応実験による改良、そして19世紀におけるコンクリートの事例を分析する。
3[オンライン/online]:3.ヴィオレ=ル=デュクと鉄
ゴシック建築の保存修復家だったヴィオレ=ル=デュクによる鉄と石の複合による新たな19世紀の様式形成をめぐって分析する。
4[オンライン/online]:4.アナトール・ド・ボドーとシマン・アルメ建築
ヴィオレ=ル=デュクの弟子アナトール・ド・ボドーは最初期の鉄筋コンクリートの建築家である。ボドーがどのような歴史観に基づいて鉄筋コンクリート建築の生成を導いたかを分析する。
5[オンライン/online]:5.水平性の発見:オーギュスト・ペレ
鉄筋コンクリート建築の父と呼ばれるオーギュスト・ペレの思考を辿り、ペレ特有の鉄筋コンクリート建築の特性を浮かび上がらせる。
6[オンライン/online]:6.柱梁構法の成立:フランソワ・エヌビック
鉄筋コンクリートの柱梁構法を規格化したフランソワ・エヌビックを中心にして、柱梁が果たした役割と意味について考察する。
7[オンライン/online]:7.鋳型と記憶:ル・コルビュジエ
ル・コルビュジエの鉄筋コンクリート建築思考の特質を、鋳型と記憶という観点から分析する。
8[オンライン/online]:8.ルイス・カーン:フォームからシェープへ
ルイス・カーンの鉄筋コンクリート建築の思考を、ポール・クレやヴィオレ=ル=デュクからの影響との関わりの中から摘出する。
9[オンライン/online]:9.曲面の発見:アントニ・ガウディ
鉄筋コンクリートによるシェル構造の先行形態としてアントニ・ガウディによる煉瓦による曲面構造を考察する。
10[オンライン/online]:10.曲面と鉄筋コンクリート:ロベール・マイヤール
柱梁構法から脱却し、独自の構造思想を構築したマイヤールを分析する。
11[オンライン/online]:11.日本における鉄筋コンクリートの受容
最初期の日本における鉄筋コンクリートの受容に関わる問題を取り上げる。
12[オンライン/online]:12.日本近代と鉄筋コンクリート
日本の近代建築家たちは、鉄筋コンクリートという素材にどのように向き合ったのかを考察する。
13[オンライン/online]:13.現代建築における鉄筋コンクリート
世界の現代建築における鉄筋コンクリート建築の創造を具体例を挙げて分析する。
14[オンライン/online]:14.現代日本建築における鉄筋コンクリート
現代日本建築における鉄筋コンクリートの実践を分析する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
関連する建築の写真や図面等を閲覧しておくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特になし。
参考書References
『テクトニック・カルチャー』ケネス・フランプトン TOTO出版
成績評価の方法と基準Grading criteria
最終レポート(100%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし