市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
ARSa300LA(地域研究(ヨーロッパ) / Area studies(Europe) 300)教養ゼミⅡLiberal Arts Seminar II
移民社会と「文化や宗教の違い」をめぐる議論
大中 一彌Kazuya ONAKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | Q6606 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 法文営国環キ2~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | ※定員制(30名) |
他学部公開科目Open Courses | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 300番台 総合科目 教養ゼミ |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
What does it mean to accept "cultural and religious differences" in today's society where there is a lot of migration of people across borders? Does it mean that the majority must accept all cultures and religions of the minorities without exception ? On the other hand, does it mean that a minority group must completely assimilate into the culture and religion of the host country ? In this Liberal Arts Seminar II, which is scheduled for the fall semester, we will discuss the ideals and realities concerning such "cultural and religious differences", using as a case study the policy shift in the Netherlands, which has traditionally been known as a liberal and tolerant society. This course is a seminar designed around the topics, questions, and exchanges of opinions suggested by the students.
[Learning Objectives]
The goal of this seminar is not to become proficient in English, Japanese, or any other language.
By the end of the course, students should be able to do the following:
1) Conceptualizing, without oversimplification, an answer to the question of why the Netherlands, with a population of just over 17 million, requires non-European immigrants to have a basic knowledge of the Dutch language (rather than English) and civil liberties.
2) Having a basic insight into the different implications of "culture" and "religion" in different countries and historical periods.
3) Understanding how to relate contemporary social issues to current cultural topics in which students are highly interested.
4) Expressing thoughts and feelings appropriately through presentations using Google Slides, Google Docs, and Zoom screen sharing.
[Learning activities outside of classroom]
(a) Read the pages of the textbook listed in the "Schedule" in advance.
(b) Post the material for the topic (including links, etc.) in the designated LMS (Google Classroom) location in time before the course begins.
(c) The time required for preparation and revision for this seminor will be the time required to do (a) and (b) above. A diverse group of students with varying levels of proficiency in Japanese and other languages will participate in this seminar. Therefore, a uniform length of time is not specified. However, according to the Standards for the Establishment of Universities, the preparation and review time for each two-credit lecture and seminar should be at least four hours.
[Grading Criteria]
Your final grade in this seminar will be decided on the following:
1. Presentations by students (3 points per topic) - 55%
2. Active participation in class (comments and questions during class debates) - 30%.
3. Other contributions to class management - 15%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
国境をまたいだ人の移住が多い今日の社会において、「文化や宗教の違い」を受け入れるとは、どういうことでしょうか? 移民など少数派のあらゆる文化や宗教を、多数派が例外なしにすべて受け入れなければならないということでしょうか。逆に、少数派の側が、受け入れ国の文化や宗教に完全に同化しなければならない、ということでしょうか。秋学期科目である、この教養ゼミⅡでは、こうした「文化や宗教の違い」をめぐる理想と現実について、伝統的にリベラルかつ寛容な社会として知られてきたオランダにおける政策転換をひとつの事例としつつ、議論します。この科目は、学生の皆さんから提供された話題や質問、意見交換を中心に、組み立てられているセミナーです。
到達目標Goal
このセミナーの目標は、英語、日本語、またはその他の言語に習熟することにはありません。
コースの終わりまでに、学生の皆さんは次のことができるようになるはずです:
1)人口1700万人強のオランダが、なぜ(英語というよりは)オランダ語や市民的な自由について、基本的な知識をもつよう非ヨーロッパ系の移民に対し求めているのかという問いについて、過度な単純化を避けつつ、ひとつの答えを構想することができる。
2)「文化」や「宗教」が、国や歴史時代によってもつ異なる意味合いについて、基本的な洞察を持っている。
3)学生の皆さんが非常に興味を持っている今の文化的トピックを、現代の社会問題に関連づける方法を理解している。
4)Googleスライド、Googleドキュメント、Zoomの画面共有を使用したプレゼンテーションを通じて、自分の考えや気持ちを適切に表現することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP1、国際文化学部:DP1、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
(ア)このシラバスを執筆している2022年2月10日の時点では、2022年9-12月期の感染拡大状況を予測することは困難です。感染状況が落ち着いている限り、対面授業をおこないますが、HyFlexやZoom録画を利用するなどして、欠席者にも配慮します。
(イ)対面、オンライン、いずれの授業形態においても、簡単な話題提供を学生の皆さんにお願いしています。昨年度のこの授業でじっさいに提供された話題の一部を下記に掲載しますので、参考にしてください。
(ウ)教科書の内容にかんする教員の説明と、学生からの質問や意見の交換をおこないます。
【昨年度のこの授業「教養ゼミⅡ」で学生の皆さんが提供してくださった話題(一部)】
イギリス・フランス・日本のワクチン政策や水際対策の違い;Milli「塩と胡椒と鳥と思想警察」のおしゃれな旋律と、同化の凄惨さ;黒人初のルイ・ヴィトン・メンズラインのディレクターとなったヴァージル・アブロー;武蔵野市の外国人の住民投票を認める条例案にかんするメディア報道のあり方;『虐殺器官』におけるジョン・ポールの「文法」とポピュリズム;日本における移民の労働先としての某チェーン店;Mikaの楽曲"Relax, Take It Easy"におけるレバノン内戦中に片目と夫を失った女性の語り;英仏海峡における移民対策をめぐる対立;ベラルーシのルカシェンコ大統領による移民のポーランド国境への誘導;ラジ・リ監督の映画『レ・ミゼラブル』
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:初顔合わせ
授業計画の説明
2[対面/face to face]:参考書などからの話題提供(教員)→討論
学生はとくに準備の必要なし→掲示板への書き込み
3[対面/face to face]:現代政治の歴史的文脈 列柱社会/オランダにおける「保守主義型福祉国家」の成立
学生による話題提供(の開始)→教科書1-27頁の講読→掲示板への書き込み
4[対面/face to face]:中間団体政治の形成と展開/大陸型福祉国家の隘路
学生による話題提供→教科書28-57頁の講読→掲示板への書き込み
5[対面/face to face]:福祉国家改革の開始/パートタイム社会オランダ
学生による話題提供→教科書57-100頁の講読→掲示板への書き込み
6[対面/face to face]:ポスト近代社会の到来とオランダモデル
学生による話題提供→教科書100-111頁の講読→掲示板への書き込み
7[対面/face to face]:移民問題とフォルタイン
学生による話題提供→教科書113-139頁の講読→掲示板への書き込み
8[対面/face to face]:フォルタイン党の躍進とフォルタイン殺害
学生による話題提供→教科書139-165頁の講読→掲示板への書き込み
9[対面/face to face]:パルケネンデ政権と政策転換
学生による話題提供→教科書165-182頁の講読→掲示板への書き込み
10[対面/face to face]:ファン・ゴッホ殺害事件
学生による話題提供→教科書182-193頁の講読→掲示板への書き込み
11[対面/face to face]:ウィンデルス自由党の躍進
学生による話題提供→教科書193-212頁の講読→掲示板への書き込み
12[対面/face to face]:福祉国家改革と移民
学生による話題提供→教科書214-227頁の講読→掲示板への書き込み
13[対面/face to face]:脱工業社会における言語・文化とシティズンシップ
学生による話題提供→教科書227-243頁の講読→掲示板への書き込み
14[対面/face to face]:まとめ
シラバス第13回までの内容がこなせなかった場合には予備日
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
(ア)【授業計画 / Schedule】で予定されている教科書のページをあらかじめ読む。
(イ)指定するLMS(Google Classroom)の場所に、話題提供用の資料(リンクなどを含む)を授業開始時刻より前に貼りつける。
(ウ)この授業の準備や復習に必要な時間は、上記(ア)(イ)を行うのに必要な時間とします。日本語やその他の言語の習熟度が異なる多様な学生が、このセミナーに参加します。そのため、一律の時間の長さは定めません。しかし、大学設置基準によれば、2単位の講義及び演習の準備・復習時間は1回につき4時間以上とされています。
テキスト(教科書)Textbooks
水島治郎『反転する福祉国家 オランダモデルの光と影』岩波現代文庫、2019年。Cf. https://www.iwanami.co.jp/book/b431806.html
※図書館からの貸し出しを利用する場合は、下記を参考にしてください。
この教科書は法政大学図書館に所蔵があるが、山手線コンソーシアムに参加する近隣の他大学図書館にも複数の所蔵がある。Cf. http://opac.lib.hosei.ac.jp/hybrid/
また、都道府県や市区町村が運営する公立図書館にも所蔵がある。どの公立図書館にこの教科書が所蔵されているかについては、日本図書館協会のサイトなどを利用することにより都道府県ごとに横断検索できる。Cf. http://www.jla.or.jp/link/link/tabid/167/Default.aspx#sogo
参考書References
ギュスターヴ・ル・ボン『群衆心理』櫻井成夫訳、講談社学術文庫、1993年。
永吉希久子『移民と日本社会』中公新書、2020年。
Jan Willem Duyvendak et Marieke Slootman, « Les musulmans à l’intérieur de la « Maison néerlandaise » », Hommes & migrations, 1316 | 2017, 9-15.
成績評価の方法と基準Grading criteria
1. 学生による発表(話題提供1回3点)55%
2. 授業参加の積極性(授業中の討論における発言や質問)30%
3. その他(授業運営への貢献など)15%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
【授業の進め方と方法】に記載した【昨年度のこの授業「教養ゼミⅡ」で学生の皆さんが提供してくださった話題】から多くを学びました。これらの話題についての討論が授業時間のかなりの部分を占めています。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料の共有や学生からの話題提供に、Google ClassroomやHoppii、Zoomを使うため、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの機器と、自宅から接続する場合は、こうした機器やサービスを利用するうえで、十分な情報環境が必要です。
その他の重要事項Others
①市ヶ谷キャンパスの法政大学各学部の学生だけでなく、社会学部・経済学部・現代福祉学部など多摩キャンパスの学生、また外国人留学生や社会人学生、千代田コンソーシアムの近隣大学の学生の履修を歓迎します。
②学外の方でこの科目への参加を希望される方は、科目等履修生としてご参加下さい。詳しくは法政大学の事務窓口までお問合せ下さい。
③参考書にはフランス語の文献があげてありますが、履修にあたりフランス語の能力は要求していません。
(※)この「教養ゼミⅡ」における使用言語は日本語ですが、時事的な内容を扱い、かつ、フランス語を授業内の使用言語とする科目に「時事フランス語Ⅰ」「時事フランス語Ⅱ」があります。語学の面も含めて学習したい方は、「時事フランス語Ⅰ」や「時事フランス語Ⅱ」の履修をご検討ください。