法学部Faculty of Law
POL200AC(政治学 / Politics 200)都市の環境問題都市の環境問題
上岡 直見Naomi KAMIOKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0531 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
[Course Outline]
This course introduces the common thinking process and examples on environmental issues. Although there is no single correct solution for any environmental issue, the common thinking process will be applicable. To realize an environmental policy, it will be required to allocate human resources and budget for the tasks, and to predict and evaluate the effects. As the scope of environmental issue is very wide, it is not possible to cover all themes due to limitation of time. Energy and pollution issues will be taken up mainly. In addition, COVID-19 and infectious transmission simulations will be introduced as hot issue.
[Learning objectives]
The goals of this course are to understand the common thinking process to realize environmental policy, (1) identify the problem to be solved, (2) setting a goal, and (3) planning how to achieve it.
[Learning activities outside of classroom]
After each on-line session, students will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text.
[Grading Criteria /Policies]
Final grade will be calculated according to the following process: 2 reports (mid-term) 50%, Examination (term end) 50%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現実社会の中で法律的・政治的な考え方や評価を求められる分野は多岐にわたりますが、環境の分野においては物理現象を対象にします。これは刑法・民法・商法等とは異なる点です。法令・判例・事例を知るだけでは具体的なイメージが把握できません。どの「政策」でも唯一の正解はありませんが、(1)解決すべき課題を認識し、(2)目標を設定し、(3)それをどのように達成するかを考える過程は共通です。法曹・公務員・企業などいずれの道に進んでもこの過程で改めて勉強が求められます。課題に対して、資源すなわちヒト・モノ・カネを割り当て、効果の予測と評価を行う過程が必要です。環境問題を現象面と数量面で捉え、誰が・何を・どれだけすればよいのかを考えます。環境問題は対象が広いため全部のテーマは取り上げられませんが「環境政策」ではエネルギー・地球温暖化等を取り上げます。また時事問題として感染症やデマの伝播シミュレーション等も取り上げます。学習支援システム"教材"でテキスト"都市の環境問題資料_2022年版"を提供しているので、履修を検討している人は参考にして下さい。
到達目標Goal
(1)環境問題はなぜ起きるのか、感覚や風説ではなく物理的な現象としてメカニズムを把握する考え方を習得する。
(2)政策の立案・評価を数字を用いて検討する手法を習得する。また広くは環境問題にかぎらず数字を通じた客観的・論理的な考え方に親しむ。
(3)エネルギー・放射線・大気汚染・騒音・道路政策等の基本的な知識を理解する。
(4)問題の基本的な構造を理解した後、応用問題について自分で結果を導く手法を習得する。
(5)メディア等で提供される情報を一方的に受け取るだけでなく、多くの情報の中から要点を整理し自分なりの考え方を構築できる考え方を習得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
通常授業を行います。基本的にシラバスの順序で実施しますが、社会情勢の変化や注目される訴訟・判決などの状況により随時変更することがあります。学習支援システム"教材"でテキスト"都市の環境資料_2022年版"をデータで提供します。テキストに沿って進めますが授業中にPC・スマートフォン等での資料閲覧を認めます。周囲の人に迷惑を及ぼさない範囲で使用して下さい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:ガイダンス/都市のエネルギー消費と環境
ガイダンス/この科目の目的として現象を数字で捉える考え方を紹介する。現象を数字で捉えることによる論理的な判断。都市や交通に起因する環境問題をどのように考えればよいかを紹介する。
2[オンライン/online]:住宅や街区の省エネルギーと電力需要
環境問題は狭義の環境政策ではなく住宅・都市政策にも関連が深い。住宅や街区の省エネルギーはどのような方法があるか。(演習: さまざまな省エネルギーに関する施策と効果、住宅の断熱について)東京五輪が夏に開催されることにより競技環境が問題となっているが地表面の温度の計算や低下対策を検討する。(演習:地表面の熱バランスと温度の試算)
3[オンライン/online]:騒音問題
都市の環境問題としてしばしば取り上げられる騒音(生活騒音・道路騒音など)について、考え方の基本や対策などについて検討する。
4[オンライン/online]:水害とダム
水害など気象災害が多発・巨大化している。気象災害の考え方と効果的な防止対策を考える。(演習:河川の水位の推定と効果的な洪水対策)
5[オンライン/online]:交通を数字で捉える
交通と環境を結びつけて検討するためにはどのようなデータが必要なのか。人や物がいつ・どこからどこへ・どのように(手段)動いているかを把握する方法を紹介する。
6[オンライン/online]:交通に関する環境負荷
自動車・鉄道・航空・船舶など手段別の交通に関する環境負荷の基礎数値を把握する。(演習:自動車・鉄道・航空・船舶のエネルギー消費量の試算)
7[オンライン/online]:日本の道路政策の歴史
交通に起因する環境問題のほとんどは道路(自動車)に起因する問題である。道路政策がどのように立案・実施されてきたかを紹介する。
8[対面/face to face]:都市の構造と環境
交通に関する環境問題は、単に交通手段やエコカー等の問題ではなく、都市や地域の構造が密接に関連している。(演習:道路整備状況や自動車保有台数の統計的関連についての例題計算など)
9[対面/face to face]:交通需要の推計
環境政策の立案のためには交通の将来状況を予測する必要がある。予測法の代表的な手法を紹介する。(演習: 将来交通需要の予測や分布に関する例題)
10[対面/face to face]:手段や経路の選択
人々はどのような要因で交通手段や交通経路を選んでいるのか。その代表的な手法を理解する。(演習:簡略化したモデルにより料金や所要時間による交通手段分担に関する例題計算)(演習:アクアラインを事例に簡略化した均衡計算による道路選択に関する簡単な例題計算)
11[対面/face to face]:費用便益分析
道路事業を例に「費用便益分析」について解説する。この手法は交通問題だけではなく環境政策その他あらゆる政策に共通する。時間損失・気候変動・大気汚染・騒音など社会的な費用、大都市圏の鉄道の混雑に関する評価等に関する検討。(演習:実際の道路事業について費用便益分析の例題計算)
12[対面/face to face]:貨物はどう動いているか/フードマイレージ
通常、市民があまり意識することのない貨物輸送や物流について解説する。身近な食品をテーマに、日常生活がもたらす環境負荷を試算する。(演習:フードマイレージ(食品の輸送にかかわる環境負荷)に関する試算)
13[対面/face to face]:戦争こそ最大の災害
戦争こそ最大の環境破壊であり人権侵害と言える。概念的な議論でなく戦争は経済的にどのような評価ができるか考え方を紹介する。また兵器(特にミサイル)について技術的な内容を紹介する。
14[対面/face to face]:核兵器と環境問題
2021年1月に核兵器禁止条約が発効したが、世界唯一の被爆国である日本は条約に参加していない。核兵器をめぐるさまざまな情勢や、世界の核兵器の現状、核兵器の被害の詳細などについて紹介する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前にテキストに目を通しておくことを勧めます。毎回ではありませんが高校数学の範囲で指数・対数を使用する問題があります。(指数と対数の変換ができれば可)ただし課題には計算は要求しないので、高校・受験で数学を放棄した人でも大丈夫です。
テキスト(教科書)Textbooks
学習支援システム"教材"でテキスト"都市の環境資料_2022年版"をデータで提供します。
参考書References
指定の参考書はありません。
成績評価の方法と基準Grading criteria
秋学期中、課題2回の提出と試験を単位の条件とします。評価の配分は、課題2回 50%、試験 50%とします。課題2回を提出しない人は試験対象外です。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学習の内容だけでなく、私の民間企業での経験から、就職後の仕事に対する姿勢、対人関係などに関するコメントが参考になったとの意見が多かったので、関連した情報提供も併せて行うようにします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
テキストはスマートフォンやタブレットでも閲覧できますが画面が狭く図表などが見づらいのでPCの使用を推奨します。
その他の重要事項Others
【実務経験】2000年まで企業に所属し化学プラントの設計、安全性解析、運転、環境対策等の実務経験があり、技術士資格(化学部門)を有しています。その応用として環境に関する訴訟の専門家証人として参加経験があります。これらの経験から、法律的な観点に立ちつつも数量的かつ具体的に環境問題を捉え、問題を解決する手順を考える授業を目指しています。
【履修について】履修歴や前提科目は問わず1年生から選択可能です。原則としてシラバスの順序で授業を行いますが、エネルギー・環境・政治・原子力や核の分野では常に新しい事態が生じるため、内容を臨時に変更することがあります。