法学部Faculty of Law
LAW300AB(法学 / law 300)憲法訴訟論憲法訴訟論
大津 浩Hiroshi OTSU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0015 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
【Course outline】 Lecture of Japanese constitutional litigation theories through analysis of some constitutional precedents in Japan.
【Learning Objectives】 The goals of this course are to be able to understand the proper character of Japanese constitutional litigation system and the actualities of its constitutional decisions.
【Learning activities outside of classroom】 Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understanding the course content in following the lecture videos and some contents offered in the Hoppii.
【Grading Criteria/Politics】 Your overall grade in the class will be decided based on the following;
Term-end examination:50%, Total of short tests:45%, and in-class contribution;5%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
憲法訴訟論は、実体法と訴訟法の双方を系統的に学び、裁判をフィールドにした法解釈の専門的能力の習得を目指す「裁判と法」コースおよび、現代的な法を学ぶ「行政・公共政策と法」に分類されていることに鑑みて、本授業では、実際の日本の憲法判例の分析を通じて、日本国憲法の違憲審査制の特質並びにそこから導かれる憲法訴訟の特質と法技術を理解することを目指す。
到達目標Goal
付随審査制(司法審査制)としての日本の違憲審査制の特質に由来する憲法訴訟の諸特徴と限界について理解できるようになること、こうした限界の中でも、権利の実効的保障のために試みられている様々な新たな憲法訴訟の手法や法理について理解できるようになること、さらに、新しい憲法判例の中でもこのような手法や法理がより一層取り入れられるようになるうえで必要な条件は何かについて、自ら考える力を身に着けることが目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」、「DP2」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
初めに外国の違憲審査制と対比しつつ、付随審査制(司法審査制)としての日本の違憲審査制の特質を講義する。次に、この違憲審査制の特質から導き出される憲法訴訟の諸理論、諸法理について講義し、そのうえで、それぞれの憲法訴訟論に関わる具体的な憲法判例の分析を行う。
学部生の授業であることを念頭に置き、あまり難解で高度な授業にはしないつもりである。
対面式を予定しているが、新型コロナ感性の再拡大などで大学の方針が変更された場合は、オンデマンド式のオンライン授業を行う(詳細は秋学期開始時の第1回授業のガイダンスにおいて説明する)。
授業はHoppiiに事前にアップしたレジュメや資料(資料は対面式が可能な場合は教室で配布する)を用い、レジュメに沿って講義中心で授業を進める。原則として毎授業後にHoppiiを通じて小テストを課し、次の授業時にその内容を解説することを通じて、授業内容の理解度を確認する。
対面式を予定しているが、大学の方針が変更された場合には、オンデマンド方式のビデオによるオンライン授業を行う(詳細は春学期開始時の第1回ガイダンス時に連絡する)。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス
憲法訴訟に関する受講生の知識を確認するアンケートを実施した後に、授業の進め方を解説する。
第2回[対面/face to face]:違憲審査制の諸類型と日本の違憲審査制の特質
アメリカ、ドイツ、フランスの違憲審査制と対比しつつ、日本の違憲審査制の特質を講義する。
第3回[対面/face to face]:事件性と客観訴訟
司法権概念の分析から、適法な訴訟となるための訴訟要件を講義する。
第4回[対面/face to face]:憲法訴訟の当事者適格
実際の訴訟において違憲性を争点とするための要件について講義する。第三者の権利援用についても説明する。
第5回[対面/face to face]:憲法判断回避の準則・合憲的限定解釈
具体的な判例の分析を通じて、付随審査制の特質に由来する憲法判断回避の準則と合憲的限定解釈について講義する。
第6回[対面/face to face]:違憲判断の方法と違憲判決の効力(1)
具体的な判例の分析を通じて法令違憲について講義する。
第7回[対面/face to face]:違憲判断の方法と違憲判決の効力(2)
具体的な判例の分析を通じて適用違憲、処分違憲、違憲判決の効力について講義する。
第8回[対面/face to face]:立法行為の違憲訴訟
立法行為、とりわけ立法の不作為の違憲訴訟について講義する。
第9回[対面/face to face]:合理的期間論と事情判決の法理(1)
選挙訴訟を例に挙げて違憲・無効判断の回避手法の展開について講義する。
第10回[対面/face to face]:合理的期間論と事情判決の法理(2)
前回に引き続き、選挙訴訟を例に挙げて合理的期間論の新たな展開について講義する。
第11回[対面/face to face]:立法者の合理的意思推定と部分無効の法理
郵便法事件判決と国籍法事件判決を分析し、権利救済のための司法による事実上の立法の意味と限界を探る。
第12回[対面/face to face]:司法権の限界と部分社会の法理
具体的な判例を紹介しつつ、統治行為論や部分社会の法理の意味と限界を解説する。
第13回[対面/face to face]:裁判を受ける権利と対審・公開の原則
憲法32条と82条が保障する裁判を受ける権利の意味について、具体的な判例を通じて解説する。
第14回[対面/face to face]:違憲審査基準の現状と本授業のまとめ
二重の基準論、規制目的二分論などの従来の違憲審査基準論のあり方を概観したのちに、最近の最高裁判所の違憲審査の状況や「三段階審査」論について講義する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
各回の授業テーマについて、学部の憲法の授業(憲法Ⅰ~Ⅳ)で用いた教科書の該当部分を参照し予習しておくこと。また、各回の授業で扱った憲法判例について、判例集や参考書の当該部分を参照し、自分で判決内容をまとめ直すことで、理解をより深めること。1回の授業につき最低でも4時間の予習復習を行うことが推奨される。
対面式授業の場合には、Hoppiiに事前にアップされた各回の授業内容のビデオ(オンデマンド式)を事前ないし事後に視聴し、また同じくアップされている各回の小テストに授業後に解答するよう努めること。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書指定はせず、代わりにオンデマンド方式のビデオで授業内容を解説する予定である。
参考書References
高橋和之『体系・憲法訴訟』(岩波書店、2017年)、3,800円(+税)
初宿正典他共著『憲法Case and Materials 憲法訴訟』(有斐閣、第2版、2013年)7,150円
芦部信喜(高橋和幸補訂)『憲法』(岩波書店、第7版、2019年)3,520円
LS憲法研究会編『プロセス演習・憲法』(信山社、第4版、2012年)5,800(+税)円
成績評価の方法と基準Grading criteria
対面式試験の実施が可能な場合は、定期試験(50%)、各回の小テストの合計(45%)、及び授業参加の積極度(5%)により評価する。
対面式試験の実施が不可能になった場合は、各回の小テストの合計(70~75%)、授業アンケートや期末レポート(20~25%)、その他の授業参加の積極度(5%)により評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
内容が専門的であり、難解な講義となりがちなので、具体例を多く用いつつ、十分な時間をかけて分かりやすい講義に努める。時間配分に気を付けて、最終テーマまで到達できるよう心掛ける。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
事前や事後の学習、学習準備のため、PC、タブレット、スマートフォン等の情報端末を用意すること。
その他の重要事項Others
弁護士として訴訟実務も行っているので、憲法訴訟論の中で、必要に応じて実際の訴訟との関連性を考慮した授業を行う。
授業で用いるレジュメや資料はHoppiiに事前にアップしておくので、各自で事前にダウンロード、プリントアウトして、特に対面式授業の場合は授業に持参すること。